多くの人が”自分の名前の意味”を考えたことが一度はあると思います。
「幸せに、明るく元気でいて欲しい」、「縁起いい画数」、「自分たちの名前から決める」など親御さんは子どもの名前にたくさんの愛情を込めています。
実は、そうやってつけた名前で子どもの人生が大きく変わってしまう事が分かっています。
なぜなら、人にとって名前とは自分を表す「アイデンティティ」になるからです。
では、その内容について解説していきます。
この記事は、子どもを持つ親御さんや家庭を持ちたいと考えている人に有益な内容です。
珍しい名前を調べた研究
米国イリノイ州のロヨラ大学のアーサー・ハートマンは、おかしな名前を付けられた人がどんな大人になっているのかを調べる研究を行いました。
「ヴィア」「オーデル」「リーサル(致命的な)」などの意味が明確でない珍しい名前の男性88名と「アメリカに多い名前」の男性88名をあつめて、精神科医やソーシャルワーカーが調査しました。
結果、サイコシス(精神異常)と判断された割合は以下になりました。
珍しい名前の男性88名中、14名。多く使われる名前の男性88名中、4名。
一般的な名前の3倍以上も精神異常者と判断された数が多い事が分かりました。
人の性格を決める名前の重要性
上記の研究から、おかしな名前を付けられた人は、一般的な名前の3倍以上も精神異常になりやすい事が分かりました。
この研究は、精神科医などが精神異常と判断した数を示しています。
必ずしも一致しているとは限りませんが、性格分析でその傾向がみられたのでしょう。
本人は名前の意味をどう感じているのか、それがどんな指標なのか、犯罪率とは関連性があるのかなどはわかりませんが、名前がその人の性格を左右することは覚えていて損はないでしょう。
日本でも過去に変わった名前を子どもにつけようとしたケースがあります。
もちろん、そのような名前は倫理的に行政から却下されました。
それには以下の理由があったと考えられています。
人の名前を定める法律は「戸籍法」。
実はこの「悪魔」という名前は戸籍法上は常用漢字なので違法にならないそうです。
参考:https://www.nagoyalaw.com/2016/03/%E4%BA%BA%E3%81%AE%E5%90%8D%E4%BB%98%E3%81%91%E3%81%AB%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%AF%E3%81%82%E3%82%8B%E3%81%AE%EF%BC%9F.html
なぜ認められなかったかというと,裁判所から「命名権の濫用(らんよう)」が適用されたたためだと言われています。議論はありますが「命名権」を誰しもが持ってます。
しかし、「子の福祉」という観点から,害を与える可能性があるとして認められませんでした。
通常では「命名権の濫用」になるということは滅多にありませんが、親の責任として「子どもの気持ちを考えて名付ける責任」というのが示された判例と言えそうです。
倫理的にも心理学的にも裁判所の判断は正しいと言えますね。
そもそもどんな気持ちで付けたのか?
子どもの性格だけじゃなくて、おかしな名前を付ける親の性格も気になるところです。
人の名前は本人にとって、親がくれた想いのこもった大切なプレゼントです。
さらに、名前は付いた後からも価値を発揮します。
その名前がどのように親や友人、恋人などに扱われてきたか、名前に物語が乗っかるからです。
〇〇ちゃんという名前の子に周囲がどう接してきたが大切です。
心理学や児童福祉では子どもへの不適切な養育をマルトリートメントと言います。
虐待とほぼ同義ですが、虐待を広く捉えた言葉で育児行為が不適切であればこれに該当します。
虐待を受けた子どもは、将来虐待をする可能性が高まり、不適切な養育を受けた子どもは精神疾患や問題を起こしやすいとされています。
皆がそうではないですが、親の性格や愛情が子どもを育てるという事です。
少しでも未来が良くなるよう、愛情にあふれた世の中になることを願っています。
2020年 子どもの名前ランキング
近年、キラキラネームが流行っています。賛否両論あるものの上記の研究から心理学的には意味が大事だと言えます。
では、ここで2020年の子どもの名前ランキングを見てみましょう。
2020年の名前の傾向も以下のような解説がされています。
風や波が静まることを意味する「凪」が男女ともに大きくランクアップ
話題のドラマ『凪のお暇』(TBSテレビ系2019年7月~9月)、『私の家政夫ナギサさん』(TBSテレビ系2020年7月~9月)(※読み「なぎ」として)に登場した「凪(なぎ)」が男女ともに急上昇しました。「凪」は風や波が静まることを意味するなど、2020年は新型コロナウイルス影響などからも、「平穏」「穏やか」といった願いが込められていると考えます。また、男女ともに順位を上げていることから、名前における男らしく・女らしくという意識の薄まり、ジェンダーレス化の傾向が表れていると推測します。
また、人気漫画『鬼滅の刃』の登場人物、冨岡義勇が使う技の名前として「凪(なぎ)」が登場することなどから、人気ドラマとも相まって、2020年に人々が目や耳にする機会が増えた漢字であったことも影響しているのかもしれません。
男女どちらでも、ジェンダーレスな名前がより人気に
以前から人気ではありましたが、男女ともに「あおい」関連がランクアップ(読みランキングで男の子9位(昨年13位)、女の子5位(昨年7位)。名前ランキングで男の子「蒼」3位(昨年5位)、「碧」13位(昨年31位)、「葵」38位(66位)、女の子「葵」6位(昨年8位)、「碧」73位(昨年113位)、「葵衣」85位(昨年110位))していることも、「凪」同様、ジェンダー意識の高まりを受けてのことと考えられます。他にも、男女ともに人気のある名前で、男の子「はる」15位(昨年19位)、「そら」17位(昨年20位)、「あさひ」18位(昨年21位)、女の子「つむぎ」7位(昨年14位)などもランクアップを見せています。
たまひよ:https://st.benesse.ne.jp/ninshin/name/
たまひよさんでは2021年の名前予想もされています。
ご興味のある方は以下のリンクからご覧ください。
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