座る席の端が好きな理由は「人との距離」
電車や飛行機、映画館などの座席は端っこが一番人気です。
なので、多くの人は座席の端が空いていると一目散に歩を進めます。
時には席の取り合いになったり、座っているとプレッシャーを受けることもあるかもしれません。
そこまでして座りたい理由は、真ん中に座るだけでストレスを感じるからです。
これを聞いただけでも多くの人は頷けるのではないでしょうか。
このストレスの原因は「パーソナル・スペース」が関係しています。
個人(パーソナル)と空間(スペース)を組み合わせた言葉で「個人が心理的な安全を感じる空間」という意味を持ちます。
その空間には以下の4つがあります。
①密接距離(相手との距離が45cm未満)例:恋人や家族
②個体距離(相手との距離が45cm以上120cm未満)例:友人
③社会距離(相手との距離が120cm以上350cm未満)例:職場の人
④公衆距離(相手との距離が350cm以上)例:他人
電車で隣に座る人は多くの場合、赤の他人です。
赤の他人との適切な距離の目安は大人の身長一人分よりも広いです。
そのため、公共の座席に座るときは赤の他人がいきなり密接距離に入ってくるので緊張やストレスを感じるのです。
さらに、中央の座席に座ると両端にそのストレスを感じるため、半減できる端っこが一番人気というわけですね。
他の理由には、臭いや衣服や肌が密着するなど衛生面やいつもと同じ席にこだわりを持つなども言われますね。
両隣に挟まれるくらいなら立った方がいい!?
コーネル大学のゲリー・エヴァンスは都市部のラッシュアワー時の乗客に対し唾液の採取をしました。ストレスを表す唾液中のコルチゾールを調べたのです。
結果、2人掛けの席より3人掛けの席に座っている乗客はコルチゾールの値が高く、心理的に嫌悪感も強かったそうです。
両端に赤の他人が座る心理負担が強い事が分かりますね。
また、パーソナル・スペースの広さには性格的な特徴の違いもみられます。
パーソナルスペースが狭い人の特徴 | パーソナルスペースが広い人の特徴 |
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・外向的で社交的、明るい性格 ・自信をもっている ・物事への関心が強い ・異性の友だちが多い ・相手の気持ちに疎い | ・穏やかで内向的な性格 ・周囲が気になり、神経質で繊細 ・自分に自信がない ・対人関係に不安がある ・密集するのが苦手 |
一般的なイメージとして、コーネル大学のある米国のニューヨーク州は社交的であり、日本は比べて内向的であることが多いです。
そのため、比較的日本人には強いストレスを感じるのではないでしょうか。
座席でスマホをいじったり、寝る人が多い理由
電車の座席でスマホをいじったり本を読んだり、寝てしまう理由は侵害されたパーソナルスペースのストレスを回避するための行動と言えます。
誰もがスマホ依存症で疲れ果てているわけではなく、現実逃避というストレス回避行動になっていることが多いです。
なので、自らも意識を逸らせるような自分に合った方法で乗り切りましょう。
また、特に通勤ラッシュの時間に座席へ目を配ってみてください。
座席に座り、両隣と前方を囲まれた人達はスマホを見るか寝ているでしょう。
そして、立って四方を囲まれている人は相当なストレスを感じているのでトラブルに注意してください。
仕事が楽しくなる!?誰でもできる簡単な方法とは
仕事を楽しくするなら、「手ぶらで出勤するもしくは、通勤時の荷物を減らす」ことが有効です。
私たちの心は身体に影響を受けるます。
例えば、作業が楽だと物事を始めやすいように、身体が軽く感じると出勤が楽に感じます。
残念ながら、みんなが仕事を楽しいと思えているわけではありません。
天気が悪い時や人間関係で悩むとき、仕事内容がつまらないなどで嫌々に出勤している人も少なくありません。
根本的な解決ができればいいですが、我慢も強いられると思います。
荷物の軽さで調べた研究
実際、以下のような実験もありました。
米国ヴァージニア大学のデニス・プロフィットは重い荷物を背負わせた人と軽い荷物を背負わせた人に目の前の坂道を測定させる実験を行いました。
すると、重い荷物の方だけが坂の角度を高く見積もりました。
さらに、軽快な音楽を聞かせたグループと気分が滅入る音楽を聞かせたグループにも測定させたところ気分が滅入るグループの方が高く見積もりました。
その高さの平均は前者が19度で後者が31度です。
その差は12度もあります。
ちなみに、角度が10度ってどのくらいの差なのか調べてみました。
ひとつ身近な例は「車いすのスロープ」です。こちらのスロープは角度が10度でした。
段差を無くすためのスロープ分って結構急ですよね。
また、画像の「10度の勾配」ってなに?って思ったら面白い記事も見かけました。
10%の上り勾配とは、100m進んだら10m高さが増す傾斜を表します。10%勾配は角度にすると約5.7度、18%だと約10.2度です。“激坂”の20%だと約11.3%で、超激坂となる30%だと約16.7度です
参考:https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/column/korekori/1181829.html
これを見ると角度10度の場合、100m進んだら約18m高さが増す傾斜。
精神的視点から見た両者の差がとてつもないですね。
このように、身体的な負担が減ると精神的負担も減り、精神的負担が苦痛を生んでいます。
これが意外と大事で、毎日の積み重ねで考えると圧倒的にパフォーマンスにも差が出ます。
仕事ができる人は身軽なんです。
「そうは言っても、営業やスケジュール組むのに手帳とか資料が必須だよ。」と感じる人も多いと思います。
そこでできるのはスマホの活用です。
電子化してしまえば持ち運びが楽になりますから。
それでも難しい方はカバンをリュックに変えるなどの工夫が良いと思います。
手で持つよりは背負った方が楽でしょう。
バッグの中身は重いものを上に乗せると重心が下に片寄らないので軽く感じます。
断捨離と同じで、やってみると心がすっきりします。
どうしても不安で荷物を減らしたくない場合は、持ち運びが便利で気分の上がるカバンを持ちましょう。
気を付けて!「水曜日」は人間関係が悪化する曜日!?
1週間の勤務の真ん中になる曜日は、人付き合いやトラブルに注意しましょう。
アイオワ大学のスティーブ・ダック教授の調査で、水曜日は口喧嘩が多く、一番人間関係でトラブルが起こりやすい事が分かりました。
人は曜日によって気分や体調に影響を及ぼします。
有名なものとして、日本では「サザエさん症候群」があります。
翌日の月曜日から仕事が始まるという事で、多くの人が憂鬱になるというのが由来です。
実際、アメリカではある少女が「月曜日が嫌いなの」と銃乱射事件を起こしました。
そうすると、月曜日と日曜日は一番危険かと思われますが、月曜日はほかの曜日に比べ口喧嘩の回数が少なかったそうです。
これには、週末の「メンタルリセット」や「始業の緊張感」が影響しているのではないかと考えられています。
このことから、大事な取引やクライアントとの面談、プレゼンは水曜日を避ける方が望ましいでしょう。
シフト勤務でこの研究を応用するなら「勤務の真ん中の曜日を避ける」方が良いでしょう。
シフト勤務で交渉や頼みごとをする場合は相手、パフォーマンスを高めて仕事やタスクをこなすなら自分が真ん中を避けると良いです。
ただ、それ以外にも、忙しくない時や機嫌のいい時など考慮しましょう。
また、平日勤務のサラリーマンは、金曜日の午後は休日の予定を考えてしまい、タスク処理能力が落ちるとも言われています。
休日前の午後に重いタスクをこなさないよう業務配分するということですね。
アメリカの心理学者アルフレッド・アドラーは「すべての悩みは対人関係の悩みである」と言いました。
人間関係を制する者は、仕事も日常ひいては人生をも制するという事ですね。
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