何でもやると人はダメになる!?幸せに長生きするお年寄りの心理学

 医療福祉の業界は一般に「優しい」「お世話好き」などのイメージがあると思います。


実際は必要以上に「何でもやってあげる」わけではありません。


それは「持てる能力を維持・向上するため」ですが心理学的にも過度にお節介をしてしまうとその人が無気力状態になってしまう事が分かっています。


一見突き放して見えても、そこには優しさが隠れているかもしれません。

目次

やることを任せると元気になる!?

イエール大学のジュディス・ロディンは老人介護施設で実験をしました。

もともと介助を全部やってあげていましたが、高齢者自身でやってもらうように促していき、出来ない部分の介助をする方法に切り替えました。

結果、18か月後には高齢者のADLが上昇し、散歩や片付けなど自発的な活動がみられるようになりました。
また、高齢者の社交性も上がり、死亡率も25%から15%に減ったというのです。

子どもやお年寄りの自主性を大切にする

 現代の医療福祉の現場では、患者や利用者の自立・主体性を大切にするのは基本です。


先の研究がいつ頃のデータかはわかりませんが、何でもやってあげるのは「本当の優しさ」ではない事が分かります。


ついつい、子どもや高齢者を見かけると親切心から過度に介入しすぎてしまい、役割や自主性を奪ってしまいがちです。


「必要なところを手助けする」という気持ちを常に持ちながら接する必要があります。


こういった倫理や見極めはその人の家族や本職にしている人たちの本領でしょう。


多くの葛藤も生じますが、適度に行う事はとても大切です。


最近は、電車で席を譲る行為などに対して世間では葛藤がありますが、基本的に優しくすることは良いことです。


その行為に対して、一般の人に相手を高度に見極めることまで要求するのは行き過ぎていると思います。


しかし、「本当の優しさとはなにか」を一度は考えることは大事ですね。

 幸福度が高く、長生きの人が普段から使う言葉は、「ポジティブ」であることが多いです。


むしろ、ポジティブな人こそ幸せに長生きするとも言えます。


ポジティブとは、単に陽気なだけでなく、物事に感謝をして、前向きに考えていける思考や性格を言います。


過度な心配や不安は心身に悪影響であり、ポジティブな考えは健康にもプラスの影響を与えるのです。


今回は”長生きする人”が使う「言葉」と、幸せで健康的に長生きする思考法についてお話します。

長生きな人が日記に書いた言葉

米国ケンタッキー大学のデボラ・ダナーは、ノータルダム寺院にいる180名の尼僧の日記を調べました。

尼僧は、自分の身の回りの出来事や感想を日記に記していて、言葉がポジティブなグループとネガティブなグループの85歳と93歳時点での生存率を調べました。

結果は、「ポジティブな日記を書く人が長生きする確率が高い」事が分かりました。

「85歳時点」では、ポジティブな内容79%、ネガティブな内容54%
「93歳時点」では、ポジティブな内容52%、ネガティブな内容18%

また、よく日本の高齢者と言えば、仏壇やお寺に行っては礼拝らいはいをしている印象があります。


特に、長生きの高齢者ほどそういう印象があるのではないでしょうか。


私の経験上、高齢者と関わっていると、100歳を超えている人ほど律儀で行儀正しく、感謝の気持ちを忘れていない人が多いです。


道端でも、お地蔵さんの前を通るたびにナムナムしています(笑)

歳をとるとポジティブになる!?

 ポジティブな日記を書く人が長生きする事が分かりました。


「でも、私はネガティブな方だから」と思っている方はいませんか?


実は心理学では歳を取るほどポジティブになる可能性が考えられています。
それには以下があります。

高齢者のポジティブ選好性

 これは「社会情動的選択性理論」「エイジングパラドックス」とも言われています。

高齢になると、体の不調や親しい人の死などを経験して辛いはずなのに、高齢者の主観的幸福度は高まっていくことが、国内外の調査で明らかになっています。

ネガティブな情報よりもポジティブな情報に目を向けやすくなるので、ポジティブさが維持されると考えられています。

老年期超越

 これも「エイジングパラドックス」 の一種です。

歳を重ねることで、失敗を経験し変なプライドが減り、対人関係や興味の幅が狭まる事で、自由な発想で考えられるようになるとされる。

それによって、主観的な幸福感が高まると言われています。

歳を重ねる程、この傾向がみられるとされています。

若者よりも高齢者の方が幸せ!?

photoBさん

さらに、実は「若者よりも高齢者は幸せを感じている」という研究もあります。

スイスにあるチューリッヒ大学のシュワント・ヘインズは、13万人のドイツ人のパネル調査を分析した結果、人生の満足度は高齢になるほど高まる事が分かりました。

21歳の時には、期待や欲望が現実に得られるよりも9.8%高く、68歳では期待や欲望の方が、現実に得られるよりも4.5%低くなったのです。

多くの望みを持てば持つほど自分に足りないところを見てしまい、その差で人は不幸を感じて行きます。


高みを目指すのはステキな事ですが、「80点越えればいい」とか「特定の分野だけ高みを目指そう」など過度にストレスにならない”目標への登山”をしてみてはいかがでしょう。

いくつになっても出来る幸せ

 高齢者のネガティブ発言は年齢等による自信喪失で自己効力感が低下することが原因でした


高齢になると動くのも怖いので安全第一で静かに過ごしてもらいたいと思ってしまいます。


しかし、それも自信喪失に拍車をかけます。さらには刺激も無くなり認知症の原因にもなります。

ではどうすればいいのでしょうか。


そんな時は簡単にやれる役割や習慣を持ってもらうことがとても有効でしょう。


役割を持つと「人の役に立っている」という気持ちになり、習慣をこなせたら「続けて出来ている」と自己効力感を高めてくれます。


簡単にやれることとは、例えば軽い家事や他者の世話、庭仕事など、習慣には決まった時間に読書や運動などです。


これを決めるにはその人の趣味や仕事などを参考に一緒に決めてみるのもいいでしょう。


このような小さなタスクを課して乗り越えることで自己効力感を高めるというのは、赤ちゃんや子ども、ビジネスパーソン、


高齢者などすべての世代に共通して適応できるものになります。


ただ、下がり調子や上がり調子では必要なかかわり方にも違いがあるので難しいところです。


多くの人が健康で楽しい老後を過ごすには、状態の見極めと適切な関わり方が大事なのを知っておきましょう。

参考書籍

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この記事を書いた人

心理師ブロガー┃公認心理師,健康管理士,介護福祉士
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