この記事では、人間関係を円滑にして好かれる上司の心理学を解説していきます。
部下をやる気にさせたい
期待を込めた言葉をかけ続ける
「仕事がいつも丁寧で尊敬するよ」などと上司が部下の頑張りや良いところを期待し続けると、実際に期待に沿うような行動をとります。
これを心理学では、「ピグマリオン効果」と言います。
「人は常に相手の期待に対してもっとも敏感」なので、上司が部下を信じないと部下の成長は付いてこないのです。
その人にしかない部分を褒める
部下の褒め方は、自尊心を高める褒め方でないといけません。
作業に対して「これくらいできて当然」「よくやった」では、部下のレベルはアップしません。
「君のこういうところが今回良かった。」など”あなたの””どんなところが”というように具体的に褒めましょう。
苦手を克服できるような褒め方や強みを伸ばす褒め方どちらでも構いません。
「君に任せれば安心だ」と言ってみる
「役割演技法」という心理療法があり、夫や妻、生徒と教師など役割を交替し、相手の立場に立つことで理解を促し関係を修復する方法があります。
あえて、責任がある上司の役割を部下に任せることで、改善やスキルアップを期待します。
しかし、重すぎる責任やサポートの無い丸投げは信頼感を失うので注意です。
もしも、それで何かの責任が生じた時には、任せた責任として介入してあげるのは上司のけじめです。
宣言する機会を作る
人前で宣言することでやらなければいけない環境を作り、やる気を上げる方法があります。
これを「パブリック・コミットメント(公的な約束・責任)」と言います。
期待に応えようとする心理をうまく働かせることも大事です。
ただ、無理強いはハラスメントに繋がるので注意。
部下をワンランクアップさせる
ライバルは自分を高める存在
人は自分に近い存在と自分を比べます。
これを「社会的比較理論」と言います。
誰もが他人の評価を気にするため、ライバルはそれを引き立てる最適な存在です。
ライバルのポイントは立場が似ている者同士である事。
年齢や社歴が近い、役職や部署が同じなど共通点から選定しましょう。
ただ、競争心をあおるやり方は、その部下に合った指導法かを考えて行いましょう。
部下の提案を3回までダメだしする
交渉術に「反対の原則」というものがあり、「反対」を繰り返すことで妥協を引き出す方法です。
これによると3回までは効果的とされています。
ただし、部下の自尊心を見極めましょう。
自尊心が高いと「そんなはずはない」と修正しますが、低い人は「やっぱりダメだ」となるので使う相手は見極めましょう。
責任ある仕事を全面的に任せる
部下がある程度の役割に抜擢されたとき、「難しいことだけど、好きなようにやってみて」と仕事を全面的に任せてみてください。
すると、部下のやる気は高まり、格段の成長を見せるでしょう。
これを、「社会的促進」と言います。
大手企業の社長さんは、任せるのが上手です。
そうして、立派な働き手を育て、規模を拡大してきたのです。
部下を生かす上司になりましょう。
面倒な仕事はたくさん振る
年上の部下には仕事を振りましょう。
そうすることで「自我関与」という心理が働き、仕事に前向きになります。
「仕事が増えた」よりも「上司が頼んできた」という事実を重く受け止めるので、うまく頼むことで一肌脱いでくれます。
仕事を振りすぎると、責任感の無さや頼りなさを与えてしまうので適度に行いましょう。
部下を上手に手なずけたい
感情的に叱るのは逆効果
怒られることで「嬉しい」「やる気が満ち溢れる」という部下は少数です。
やられたことはやり返したくなることを「ブーメラン効果」と言います。
そのため、怒ったり嫌ったりすると、そっくり相手から返ってくるのです。
また、感情的ではその時の気分で「これは良くてもあれはダメ」と判断してしまいます。
そうすると、何が良いのかわからなくなり無気力を招きます。
心理学者セリグマンの実験から、これを「学習性無力感」と言います。
叱るときは、一貫した基準と部下への愛情をもって、理解を促すようにしましょう。
叱り方はタイミングで変わる
注意の仕方がわからず、事後報告の場合などもあります。
そんな時、「その場で注意するときはビシッと」「あとで注意するときはやんわり」が良いです。
時間が経ってから言うと嫌悪感や反抗心をあおってしまいます。
後で叱るなら「あの時はこうするべきだったな。」と言う程度が良いでしょう。
また、ミスの自覚があれば、人は「こうすればよかったな」など自省をしています。
そんなときに後から強めの追い打ちをかければ、自尊心が傷つき、自信が無くなります。
大きな危険やリスクがある場合には強めに、そうでなければやんわりと伝えましょう。
人格を否定してはならない
ワイナーのモデルでは、失敗や成功に対して人は次のように求めます。
安定性\統制 | 内的帰属 | 外的帰属 |
---|---|---|
安定 | 能力 | 課題の難易度 |
不安定 | 努力 | 運 |
「成功」の原因は、安定的で内的なもの「能力」に帰属すると、次の行動に対する動機づけは高まります。
一方で「失敗」は、不安定で内的なもの「努力」に帰属すると,次の課題に対して動機づけを高めるとされています。
しかし、能力を褒めると次に失敗した時に「能力を疑ってしまう」ため、失敗も成功もどちらも「努力」を褒めましょう。
さりげなく失敗談を話す
部下が失敗したときとかは上司も共感を示してあげましょう。
特に、自分の失敗談を話し、弱みを見せることで親近感が高まります。
これを「自己開示」と言います。
人は、心を開いた人にしか心を開いてくれません。
一人ひとりに親しく声をかける
繰り返し会う人に好意を抱くことを「単純接触効果」と言います。
しかし、職場で顔を合わせれば全員に好かれるかと言ったらそうではありません。
そこには、「熟知性の原則」が生じます。
部下と少しでも話をして、上司は環境の一部から人として認識してもらう事が大事です。
上司には小さな努力が欠かせないという事です。
上司は聞き役に徹する
人は話すことで不安や不満を解消します。
そのため、上司は部下の聞き役に徹して話をしなければなりません。
でも、突然「何か話したいことは?」なんて言っても誰も心は開きません。
話してるタイミングや話題を上手く振って聞いてあげることが大事です。
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