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第5章 コミュニケーションに必要な能力
コミュニケーションはゴルフと同じく、メンタルが重要です。
辛い時、落ち込んだ時は相手のために話をうまく伝えることができません。
なので、会話を意識する前に自分の精神状態を良く知ることは大事です。
次の記事はメンタルを整える考え方について書いてます。
精神状態を整えた後はどうしたらいいでしょうか。
実際に会話している時は求められる能力に大きな違いがあります。
簡単に言うと伝える力が言語的、聞く力が非言語的と言えるでしょう。
どちらも大事なんですが、コミュニケーションの用途によって鍛える部分が違います。
例えるなら以下のような組み合わせです。
- 会議やプレゼンで上手に話したいのであれば「交渉力+語彙力+表現力」
- 職場の人間関係を良くしたいなら「雑談力+傾聴力+理解力」
求めている状況に応じて伸ばす能力を組み合わせていく必要があるんですね。
これら全てを鍛えるのには相当な努力と時間が必要になるので、まずは今自分にとって必要な能力や得意な分野から伸ばしていきましょう。
能力はひとつでも身に付けば自信に繋がり、会話をプラスに捉えることができます。
能力とはあえて別にしますが「性格」も大きく影響します。
性格は生まれ持った部分がありますが、人前で振る舞う自分は意図して変えることが出来ます。
こちらの記事を参考にしてみてください。
また、性格と言えば元気が良くて一般的に”ノリがいい”と言われる人たちは話が上手な印象がありませんか?
外向性を持った性格は社交的に振舞うことに向いているのです。
あとは単純に話す回数をこなしているからです。
コミュニケーションを上達するには人と話す回数は多い方が良いです。
ですが、焦る必要はありません。
話すことが苦手な人でも、話せる相手との会話から回数をこなしていけばいいので、家族や友人など身近な人と会話を行って下さい。
少しづつ慣れてきたら自信も付くので、家族や友人以外にも自ら声を掛けてみましょう。
ある程度話せる人も言葉を意識した話し方と話しかけてもらえる姿勢に意識して行ってみて下さい。
慣れたら自然と言葉や態度で出てくるようになります。
成功体験を得る事はコミュニケーションに置いてとても大事な要素になります。小さい成功をひとつずつ、着実に実力を付けて行くのです!
第6章 コミュニケーションの始まりは「聞く力」
コミュニケーションと言えば、話しをしている姿を思い浮かべます。
どちらかというと”話をしている人”寄りの想像する方が多いと思います。
しかし、コミュニケーションに大事なのは聞く力です。
多くは相手の話を聞くところから話が始まります。
「声をかけることから始めるでしょう?だから話す力が大事なんじゃないの?」と思われるかもしれません。
ただ、話しかけても自分だけ話して相手の話すことを理解しなかったり、的外れな質問をしてしまうと不快感を与え、避けられてしまいます。
たとえ饒舌に話せなくても、相手の話をしっかり聞いて必要な言葉を返すことが出来れば居心地がよく好印象を持たれます。
そうすると次は相手の方から質問してくれるので聞いて的確に話を返すだけでいいんです。
コミュニケーションの目的はビジネスシーンでの会議や商談以外の一般的な場面では、相手のことを知りたいとかよく思われたいという事の方が多いと思います。
だからこそ、聞く力は初めに身に付ける能力だと考えています。
(1)質問力
私は”質問する”ということは聞く力に分類されると考えています。
初対面で好きな食べ物の話をしようと声をかける時、いきなり「私はラーメンが好きです。」「あのラーメン屋は美味しいです。」と話しかける人は少ないと思います。
「好きな食べ物はありますか?私はラーメンが好きです。」と質問の前振りをすることが多いのではないのでしょうか?
また、その方が相手も話のタイトルが分かるので話をしやすいです。
メールなど文章で文頭に使われる「調子はいかがですか。」という言葉も見えないですがクエスチョンマークが付いています。
実際に「元気です。」と同意や返答があって話が成立している言葉だからです。
質問には二つの分類があります。
オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンです。
オープンクエスチョンとは先ほどの「好きな食べ物は何ですか?」という「はい」か「いいえ」では終わらない質問を言います。
クローズドクエスチョンは「ラーメンが好きですか?」という「はい」か「いいえ」で終わる質問を言います。
野球で例えたらオープンクエスチョンは言葉のキャッチボールを続ける言葉です。
言葉に行き詰まったり、初対面などで距離感を縮めたい時などに有効です。
聞くという言葉の類語には「訊く(きく)」があります。尋ねるという質問と同じ意味を持つ言葉です。
なので、質問力は聞く力であり、話す力よりも先に身に付けた方がいい能力でしょう。
質問力は聞く力のすべてに関係するものです。
しかし、質問力は聞く力で一番最後に鍛えられます!
先だったり後だったりどっちなんだと思われるかもしれません。
なぜなら、良い質問は細かな観察と聞いた話の中から生まれます。
そのため、傾聴力と理解力、想像力を磨き質問することでとても円滑なコミュニケーションができ、相手から良い印象を持たれるでしょう。
(2)傾聴力
突然ですがあなたは人の話を聞けていますか?
話の途中で遮ったり結論を急いだり、聞いてるふりをして言葉が反対の耳から出ていってませんか?
傾聴という言葉はただ聞くことではありません。
「目」と「耳」や「心」を傾けて熱心に聴くコミュニケーションの技になります。
実はこの技はやっているようでできていない人は多くいます。
普段から人の話を熱心に聞くには常に意識をしていなくてはいけないからです。そんな鍛錬している人はめったにいません。
出来ているとすれば相当な体力と精神力でしょう。
いつもできない理由は実際にやってみるとかなり精神消耗するからです。
疲れてしまうので私は常にその姿勢でいることは勧めません。
自分の心の状態が穏やかではないと人の話をしっかり聞けません。
だからこそ、その時々で傾聴する姿勢を作るのです。
ではどのようにしたら傾聴して人の話を聞けるのでしょうか?
すれ違いざまに立ち話をするのとは違います。普段、話を聞く姿勢とは区別しましょう。
「真剣にあなたの話を聞いています」というのを相手に伝えなくてはいけません。
その方法のコツは3つあります。
①環境を整える
安全を確保することは安心感を与え、心から話ができる最低条件になります。
先ほどのようにすれ違いざまの会話では傾聴してもらったと感じることはできません。人や雑音、温度などの影響が少なく、その人が安心して話に集中できる環境を整えることが必要です。
逆に無音で密室になってしまうなどその環境が相手にとって安心できない場合は人が少ない開けた場所や何かあったら人を呼べる場所、相手がよく知る場所にいるのがいいでしょう。
②座る場所
話をするときは座る場所、体の向きが大事です。
向かい合って話すと人は威圧感を感じやすく攻撃的な印象を与えてしまいます。なので、相手から見て座る位置が90度になるようにしましょう。そこが一番安心して話ができる位置となります。
親近感出すために隣に座るのは注意が必要です。
パーソナルスペースを侵害しやすいのである程度付き合いがある人かどうしても座る場所がない時にしましょう。
あくまでも相手が話やすい環境を整えるのが大切です。
③聴く姿勢
傾聴とは「目」と「耳」や「心」を傾けて聴くと言いましたね。
話の内容や相手の感情に共感して心で聴くことが大事となります。
そして、話の区切りがつくまでは自分の考えは挟まないようにします。
傾聴で一番難しいのがココです。特に話の解決策や結論が出やすい方は注意が必要です。黙って話を聞くのには我慢が必要なんです。
挟んでいいのは相槌や話の要約を伝える時だけです。
そうしながら、相手のテンションに合わせた言葉と仕草、声のトーンを意識します。
例えば、「最近恋人と上手くいかなくて別れないか心配なんです。仕事にも身が入らなくて…」と相談されたとします。
真剣に不安を感じていて自分の行動を良く思えていないと話す相手に対して、うれしい時のような明るい声や「ちょーやばいじゃん。」みたいな砕けた言葉、髪の毛をいじったりなどの仕草はどう考えても合ってないことが分かると思います。
その時点で相手からの信頼感を失い、怒られるかもしれません。
最悪、その様子が広まり社会的に信用度を失うかもしれません。
だからこそ、相手に合わせた雰囲気やテンションで共感力を持って接しましょう。
また、今では当たり前になっているSNSが支持されるのも理由があります。
その中には同じコミュニティがあって、共通の話題に共感出来たりするからです。「私と似ている人がいる」という安心感もあります。
(3)理解力
話をちゃんと聞いてくれたかを相手に感じさせるものとして理解力を高めることは必須です。
理解力が高いと相手の話を頭の中で要約することで適切な返答を返すことができます。的外れな返答は相手の不信感につながります。
理解できるということは話に共感するために必要な要素になるのです。
理解力も聞く力のすべてに共通します。
しっかりと傾聴するからこそ話を理解でき、時には質問を投げかけて自分の疑問を消化して解釈をまとめたり、後述する想像力を働かせてより話の理解をします。
相手が伝えたい内容はどこなんだろうか、その時に相手はどんな思いをしたのか、話を聞くことで何を求めているのか。
これらをすべての聞く力を使って導き出しましょう。
ただし、注意点が二つあります。
まず、理解力が高い人は言葉を挟みやすく、結論を急いでしまいます。
自分の中では早い頭の回転力で結論を導き出してしまうからです。
”かもしれない答え”が自分の中にあったとして悩める人の話を聞くのは普段より我慢が必要になります。そのため、気付かないうちに話を急かすような態度をとってしまう事もあります。なので、話を聞きつつ態度にもより意識を向ける必要が出てきます。
さらに、真剣に相手が話をしているときは感情的になる場面もあります。
感情的に話をしている相手は伝えたい内容とは別に多様な言葉や体験談などを織り交ぜて話してしまうことも少なくありません。
なので、多くを理解しようとすると結論も多くなり、たくさんの答えから相手が求めている内容とズレてしまうこともあります。
こういう時には相槌の要約は小出しにしつつ、話の軌道修正をしてあげるのも大切です。
話の途中に一言だけ自分の解釈を相手に伝えることで思いを消化しつつ、脱線しそうな話の軌道を整えるのです。
その時に意識するのは口調やトーン、速さなどの聴覚情報です。
あくまでも急かさないように、しっかり理解しているということを伝えてあげましょう。
(4)想像力
想像力は相手の話に共感するうえで必須の能力になります。
文字だけの本とアニメーションや映画などの映像ではどちらの方が理解しやすいですか?
多くの人は映像の方が理解しやすいと思います。
話のシチュエーションが鮮明に浮かんでいるからです。
話を聞きながら頭の中で想像するには労力を使います。
集中して考えていると話を聞くことの意識が薄れてしまい言葉の取りこぼしが増えてしまいます。
だからこそ想像力を鍛えることが必要で、話の理解を深めるとともに、言いたい事やその時の相手の気持ちを考え共感してあげるのです。
では、どうしたら鍛えられるのでしょうか?
想像力を鍛えるには言葉に触れることが大切です。
言葉に触れるとは実際に話をしたり小説などの本を読んだりすることです。
鍛える前から会話をすることが怖い場合は本を読むことがいいでしょう。
最近ではラジオや音声アプリなども増えてきているので、それを活用して人の話を聞くのもいいと思います。
また、道行く人や接している人を見てこの人はどんなことを思っているかなど相手に関心を向けることでも想像力は鍛えられます。
実際に使って鍛えるのが成長には大事なんですね。
第7章 相手に思いを伝えるのが「話す力」
こちらでは先に述べた4つの話す力について、その能力を伸ばす方法をお伝えいたします。
話す力は自分の思いやそこにある何かを相手に理解してもらえるように伝える力を言います。
主張するための能力です。
では、話す力を4つみていきましょう。
(1)交渉力
交渉力とは物事を主張する力です。
相手の理解を得るためにはこの能力が必要不可欠です。
急ですが、皆様は仕事で朝礼の内容や家族との会話、テレビの内容などをちゃんと覚えていますでしょうか?
覚えてるけど一部だけもしくは全然覚えてないという方が多いのではないでしょうか。
まず、前提として人は話を聞いていないもしくは忘れるということを覚えておいてください。
実は聞いているようで聞いていないことが多いのです。
そこで学ぶのが交渉力です。交渉する=伝達するということです。
先ほどの例で一部だけ覚えているという人はなぜ覚えているのでしょう?
それは、自分に関係することだったのではないのでしょうか。
明確に自分に向けて発言されたことや共通の趣味など自分を含んだ話というのは記憶に残りやすいです。
さらに、記憶に残る話しというのは簡潔明瞭なのが特徴です。
例えば、Aさんが商品の良さを語るとき聞き手としてどちらが伝わりやすいでしょうか?
a.この商品はとても使いやすくて購入者に人気です。
店舗の方でも受けが良くて、皆いいと言ってます。
実際に売り上げが好調でプレゼントにも最適です。
b.この商品は購入者に人気で評判、売上が好調です。
多くの人には b が伝わりやすいのではないでしょうか。
どちらも根拠はあるのですが、b のほうが簡潔明瞭ですね。
それに比べ a は主観が多く、根拠のまとまりもないです。
ですが、実は多くの人がは a のように話しがちなんです。
急いでいたり、緊張している場面などでは説得力を高めようと情報を多く伝えてしまう傾向にあります。
さらに、会話に間ができてしまうと焦って言葉を足してしまいます。
情報が多いと相手の脳内で処理ができず、適切な判断ができません。
特にそれが文面でなく口頭だとより伝わらないです。
伝わったとしても相手の理解力に依存してしまうでしょう。
多くの情報を伝える際は、情報の関連が強く、バラバラな内容は結び付けて伝えると覚えやすいです。
心理学では”精緻化”(せいちか)と呼びますが、関連の強いものはひとまとめに構造化することで多くてもバラバラで少ない情報よりも覚えやすくなります。
例えば、以下のようなものです。
みかん・電車・桜・猫・紙 バラバラなもの
みかん・こたつ・雪・手袋・サンタ 冬と言えば
たくさんの情報を伝える時は結び付けて伝えましょう!
そして、あらかじめ伝える内容は決めておいて、沈黙ができたとしても怯まずに構えておきましょう。
聞きたいことがあれば会話や質問をしてくれるはずです。
しかし、だからといって根拠が薄くては説得力に欠けてしまいます。
そのため、3つの伝え方の特徴を踏まえておきましょう。
①伝える根拠の数は明確に。
「今から商品の良さについてお話します。根拠は3つです。」
このように今から伝える内容の数は明確にしましょう。
聞き手からすると話が長いと集中力も切れるので、数が明確になると「3つか、それだったら…」と意識して聞くことができます。
そして、数も重要です。交渉力の冒頭で述べたように忘れやすいことを意識して個数を絞りましょう。
人はリズムのよい3つの主張は覚えやすいです。
多くの広告やスピーチでも3点主張で伝えられています。
例えば、リズム感のよい「早い・安い・うまい」、「ホップ・ステップ・ジャンプ」などがあります。
あとは何故か忘れられない「底辺×高さ÷2」というのもそうなんでしょうか。
主張する数は3~5つくらいだと記憶に残り、飽きずに聞いてもらえるでしょう。
②論理的に伝える
論理的、論理的思考と聞くとなんだか難しく感じてしまいますが論理とは話を伝える順序を言います。
伝えたい内容を考えると沢山ありますが、それを紐解いて順序立てて伝える時に役立つ思考です。
イメージとしては下の図のような感じです。
論理的思考(ロジカルシンキング)で考える方法にはいくつかの特徴があります。
まずは、上の図のように結論から伝えましょう。その後にくるなぜを解消するように話を順序立てていきます。物事の側面だけでは話の道筋がまとまらないのでたくさんの情報を収集してまとめることも重要です。
さらに、人は自身の得意や先入観にどうしても寄ってしまうクセがあります。思考のクセを理解して広い視野で把握しましょう。
また、湧いてくる「なぜ?」に対して繰り返し自問自答する事も必要です。仮説に対して「なぜ?」を繰り返す事で結果を導くことができます。
ほかにも、話を結論で挟んで伝えるという話法があります。
「結論(主張する内容)→反論・根拠→結論」という伝え方です。
例えば以下のような形です。
結論「禁煙したほうがいい。」
↓
根拠「なぜなら、禁煙が早いほど健康でいられて、虚血性心疾患や脳梗塞、肺がんリスクが低下する。」
↓
結論「だから、禁煙したほうがいい。」
この伝え方により相手に強い印象と説得力を与えることができるのです。
SNSなどの短い文章で伝えるときにも有効な形になるので覚えておくといいでしょう。
③感情語を使う
感情語とは心の動き(感情)を表現する言葉を言い、例えば「嬉しい!」「悲しい…」などです。
なぜ、感情語を使うかというと人は感情的な生き物だからです。
人には心があり感情に行動を左右されます。
どんなに理論立てて話されてもやりたくなかったり、嫌いな人からの頼みは面倒に感じてしまいます。結果、頼みごとを聞いてもらえなかったり、質を落としてしまうかもしれません。
正しいことを主張するだけでは人は動いてくれません。
なので、分かりやすく伝え、相手の感情に働きかける必要があります。
そうすることで行動に繋がっていきます。
「○○してくれて嬉しい。ありがとう!」
「○○が悲しかった。次回はこうして欲しい。」
上記のように感情語はストレートに表現するのがコツです。
その方が相手に伝わりやすいからです。
恥ずかしがっていてはうまく伝わらず、誤解を招くかもしれません。
慣れないうちは恥ずかしいですが思い切って伝えてみましょう!
協力を得る場合、感情語に加えてもう一つ伝える言葉があります。
それは、「お願いします」や「力を貸してください」などの言葉です。
人は感情に左右されるからこそ、頼みの言葉が後押しになります。
ぜひ、上手に使って気持ちよく動いてもらいましょう。
以下の記事は伝える力をさらに伸ばします。
(2)雑談力
雑談力を高めると関係性に良い印象を持たれ、満足度や親密度が上がります。
でも、「雑談なんでただ話していればいいんでしょう?」と思われる人もいるかもしれません。
話している間に沈黙が続いて気まずい思いをした、無理やり話そうとして変な印象を与えてしまったという方は少なくありません。
さらに、ただの雑談は時間の浪費や喧嘩の種を生んでしまいかねます。
雑談をするなら互いに満足できる良い雑談を心掛けたいですね。
まずは、前提として第一印象(見た目)が大事です。
一緒に過ごす人が不快を与えずに安心できる人かという居心地が大切です。
これは、第二章と第三章を参考にしてください。
次に気持ちのいい挨拶を心掛けましょう。
話の初めは挨拶から始まります。第一印象と同じで不快な感情を与えたままいい話はできません。見た目とセットで気を付けます。
その後に話のネタに悩むと思います。
あらかじめ「次に会ったらこれを話そう」と準備ができていると良いですが多くは出来ていないと思います。
その時に必要なのは相手の変化に気づくための観察力です。
一目でわかりやすいのは「相手の見た目の変化」です。
髪を切ったもしくは染めた、化粧を変えた、服装がおしゃれ、靴がきれいなどは取っ掛かりやすいと思います。
もっと好感度を狙っていくなら性格を褒めるのもいいでしょう。
例えば、集合時間より早く来ていて「早いですね!相手を待たせないために早く来たんですか。優しいんですね。」などです。
相手の変化に触れるのが少し恥ずかしい場合は、鉄板の無難ネタである”天気”の話題について触れましょう!
逆に触れてはいけないのは政治や経済などの個人思想が固まっている内容です。話すことは悪くないですが安易に触れるとヤケドします。
では、天気について触れたとします。
「今日はいい天気ですねー。」
「そうですねー。」
「・・・」
「・・・」
と、ここで焦って変な話を振ってしまいがちです。
ですが、落ち着きましょう。
沈黙の間を恐れるとその恐怖や不安感は伝わってしまい居心地の悪い空間を作ってしまいます。
沈黙はあって当たり前です。悪いものではなくむしろ落ち着ける関係なんだと前向きに捉えましょう。
さらに、一つの会話に対して複数の返答も意識すると良いです。
「今日はいい天気ですねー。」
「そうですねー。でも、寒いですねー。寒いのは得意ですか?」
と関連することに対して何気ない会話を付ければいいんです。
でも、何気ない会話なんて、「それも難しいよ!!」という方のためにもう一つ。
それは、”ど”が付く質問を意識すると良いです。
〈質問力を高める5D〉
どこで?
どんな?
どのように?
どうして?
どこまで?
このように返答に加えてみましょう!
また、話のネタや返答に加え大事な要素もあります。
相手が気持ちよく話せているかどうかです。
相手が気持ちよく話すためには相槌も大切です。
相槌のポイントは以下の5つです。
①「同意」:そうですね、なるほど、確かに…
②「共感」:大変ですね、嬉しい・悲しいですね…
③「促進」:もしかして、それから、と言うと、ぜひ…
④「整理」:つまり、まとめると、要するに…
⑤「転換」:ところで、そういえば…
自分だけが気持ちよく話すのは結果的に良くないです。
人生をいい意味で変えるなら、相手に花を持たせてあげることを意識しましょう。
(3)語彙力
語彙力は話の内容を伝えやすくするのに加え、その人の品性を相手に伝えます。言葉遣いは人間関係を良くし、チャンスを掴めるようになり人生を豊かにします。
語彙力と聞くと「言葉を覚えなきゃいけないの?」と思われるかもしれませんが、半分正解です。
ですが、改めて漢字ドリルをやるようなことはしません。
効率よく学ぶ方法としては本を読んだり、実際に会話をすることです。
そして、”定型文”を知る事です。
単語を一つずつ覚えるより、良く使う文の言葉を覚えましょう。
例えば、以下の場合では目上の人に対してはどちらが正しいでしょうか!?
- 「勉強になります」
- 「参考になります」
答えはこちらです。
- 勉強になります
- 参考になります
一見、どちらもへりくだっているように見えますが「参考」という言葉は「まあ検討しておきますよ」というニュアンスを持っているからです。
「勉強になります。」という方がストレートに伝わり交換も持たれやすいです。
この場合さらに丁寧に言うなら「ご教示いただきありがとうございます。」となります。
「参考」と「勉強」という言葉の意味を覚えるのは骨が折れますが、文で覚えてしまった方が覚えすいですね。
ビジネスシーンなどではなるべく短く相手に伝えるというのを意識して会話を図りましょう。
しかし、短くすると言葉が強く聞こえてしまいます。
そうすると「怒っているのかな。」と思わせてしまいます。
そういう時は文末に「~よ」や「~ね」と柔らかい口調で伝えましょう。
特に反論や否定を伝える時に使うと反感を買わずに大人な対応をすることができます。
言葉の一つ一つに聞いた時に受ける印象があり、その言葉を聞いて相手の性格や印象を決めます。
そのためポジティブな言葉をなるべく使っていきましょう。
無理に元気でいるわけではなく、言葉はポジティブにするという事です。
例えば何かしてもらった時は以下の表現です。
- ありがとうございます
- すみません
ポジティブな言葉は相手もポジティブに変えてくれます。
特に相手を印象付ける去り際など第4章で話したタイミングを意識してみてください。
(4)表現力
表現力とは話をよりわかりやすく伝えるために必要な要素です。
それには3つの要素があります。
①ボディランゲージ
Body(身体)のLanguage(言語)、要するに身振り手振りのジェスチャーを言います。
第2章のメラビアンの法則や複数の科学的実験でもボディランゲージは好感を与えるのに有意だったと報告されています。
テレビや会社のプレゼンなどで偉い人のスピーチを見たことはありませんか?もしくは話し上手な人はどのように話していますか?
多くの人が身振り手振りで表現していたと思います。
それらの方々が総じて使う会話のテクニックです。
身振り手振りに合わせて話を伝えたり、相手の話に大きく頷いたりすると相互に理解が促進されて円滑に話が進みます。
また、忘れてはいけないのは表情です。
表情は人の感情を判断する情報です。
「メラビアンの法則」のように視覚から得た情報で相手のことを判断しています。
なので、感情や話に合わせた表情をすることで相手の理解度も上がり会話を印象付けることができます。
話の内容に合わせて笑顔や悲しい表情、怒った表情などを使い分けましょう。
下の記事ではそれに関する心理学を記載しています。
②声の質
「声色」を考えたことはありますか?
声優や俳優、落語家さんなど声を扱う職業の方々も重視している点です。
例えば、悲しい話を明るい声で、楽しい話を悲しい声で話されたところを想像してください。
相手の感情が伝わりづらく話の内容も入ってきませんね。
話し手の声の質は内容の理解を促進させる要素になります。
また、第2章でもお伝えしましたが”早口の人ほど説得力が増し心を揺さぶることができます”
コロンビア大学のウィリアム・アップルの調査によると人が話す平均の1.3~1.5倍の速度が最も心理的に影響を与えるとしてます。
ゆっくりな口調では落ち着きを与え、早い口調では信頼感を与えるという事ですね。実際にyoutubeなどを1.5倍速で聞いてみてください。雄弁に話す姿は心を揺さぶるでしょう。
ただ、注意する点ははっきりと話す事です。聞こえていないのでは意味がありません。一番いい方法は話の内容に合わせてて緩急をつけつつはっきりと伝えることです。
また、声の大きさや抑揚、吐く息の量も含まれます。
声で表現できるようになれば立派な話し手と言えるでしょう。
話す内容や場面に合わせた話し方を意識してみてください。
③沈黙
話をしている人にとって恐怖の沈黙ですが、実は上手に使えば話をより伝えることができる武器に変わります。
「これって…」
「本当においしいね!!」
というように、伝えたいことの前にある程度の間を作るとその言葉を強調することができるのです。
ただし、沈黙は空気感に重圧(プレッシャー)を生みます。
特に笑いを取りに行った後の沈黙は強いストレスであり、芸人さんのようにスベッた後の一言などキラーフレーズがないと悲惨な状況になります。
また、多用しすぎると効果も薄くなるので、ここぞというときに沈黙を利用してみてください。
表現として話のユーモアも大切です。
話のユーモアは予想にしていない驚き(ギャップ)や変化から生じます。
話にツッコミを入れたり、話を盛るなどもそれを利用しています。
ですが、話で無理に笑いを取ろうと頑張る必要はありません。
緊張していたりすると笑いも起きないので程よくリラックスしていなくてはいけません。
何よりも笑いを狙うというのは相手に悪印象を与えるリスクも高いので頑張らなくていいです。
それよりもよく笑ったり、笑顔で話をするほうが簡単に笑いを誘えて良い印象を与えることができるでしょう。
性格統計学を学ぶ
コミュニケーションには心理学が大切です。
しかし、本屋などにあるような付け焼刃のようなテクニックを学ぶだけでは、うまくいきません。
なぜなら、相手の心理状態は何通りもあり、その人に会った話し方が大切だからです。
この記事を見た方々は、コミュニケーションで悩みを抱えていたり、向上心をお持ちの方だと思います。
「性格統計学」を体系立てた理論と根拠をもとに、自分を知り、円滑な人間関係に役立つコミュニケーション法を習得する内容になっています。
知らない人と知る人では、明らかに後者の方が話が上手です。
そういった知識は、子育て、同僚や上司、友人や恋人などとの関係性に影響します。
この記事では、語っていない内容も豊富なので一見の価値ありです。
いま、コミュニケーションを学んでこの先の人生をより良いものにしていきましょう。
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