皆さんはテレビなどで大災害でパニックに陥る人々、デモや暴動を起こしている人々のニュースを見たことがあると思います。
重大な環境、社会問題でいつ自分の身の回りで起こるかなんてわからない。
とても不安だし、もしも自分が巻き込まれたらどうしよう、と感じたことがあると思います。
自衛のために地下房を作るのは無理だし、格闘技を習うにも時間がないし、武器を買うのもちょっと違う。
一応災害時の避難具などは用意したけど不安…だと思います。
そんな状況を避けるには知識武装して群衆心理を理解するのが一番手っ取り早いです。
群衆の心理を理解して、戦わずに安全圏に移動するのが賢い自衛だと思います。
危ないのはどっち?集団と群衆の違い
集団と群衆には以下のような違いがあります。
集団:人数が2人以上の集まり
群衆:同じ組織や所属ではないが共通点を持つ一時的な集まり
集団は人数を単位としたただの集まりを言います。
群衆は共通点をもとに群れをなしている集団と言えます。
群衆はさらに「モッブ」と「聴衆」に分かれます。
モッブとは能動的な集団で暴動やデモ行動起こす人たちはこれに分類されます。
音楽のライブ会場などではしばしばモッブという人たちが走り回ることがあります。
この人たちは興奮してるけど比較的統制が取れていて、統率者が居るので端から見る分には安全です。
話を戻しますが、そのモッブたちにも分類があります。
[攻撃的モッブ]
乱闘騒ぎや暴動を起こす攻撃的な集団
[逃走的モッブ]
災害や暴動から逃れようとパニックに陥っている集団
[利得的モッブ]
バーゲンや初売りに殺到する集団
[表出的モッブ]
騒ぎを起こして興奮を発散する集団
聴衆は娯楽や情報収集などを目的に集まった集団です。
聴衆も2種類に分けられます。
[意図的な聴衆]
コンサートやスポーツの観戦などで集まった集団
[偶発的な聴衆]
事故などの見物で集まる集団
何か問題やイベントがあった時、乱暴なのがモッブと呼ばれ、安全なのが聴衆と呼ばれるんですね。
ただ、このモッブと聴衆は状況によって変身することがあるみたいで、安全な聴衆たちがライブで見ていて、好きなアイドルの話で喧嘩を始め、暴動を起こしたらモッブになるというわけです。
興奮した雰囲気は周囲にピリピリと伝わり、それを見ている人たちも興奮気味に野次を飛ばしたりして騒動が拡大するということもよくある事です。
なので、危険を察知したらどちらとも距離を置いて安全なとこから様子をうかがうのが良いでしょう。
ここでは、日常でよく見かける「利得的モッブ」の心理を見てみましょう。
操られた集団!?特売セールやバーゲンでケンカする人々の心理
テレビなどでは新型のスマホやゲーム、限定ブランド品の靴や服を求めて店舗に人が押し寄せるニュースを見たことがあると思います。
モラルを保てずに商品は引っ張り合い、誰かがケガをしたり、ショーケースを割ったりして混乱に陥る店員と客が映し出されています。
なぜ、そこまでになってしまうのでしょう。
人を魅了させるセールスマーケティング
商品の魅力以外にも販売方法は人を魅了させ、購買意欲を駆り立てる要素となります。
買い物に行くと必要なものや気に入ったものを買いますが、これを知らないとスーパーやデパートでも不必要なものをたくさん買わされてしまいます。
集団心理を利用した、人が押し寄せるほどの商品は、以下の3つで売られていることが多いです。
制限して興味を引く
一時期、新しいSNSとして「clubhouse」が話題になりました。
その魅力は何といっても会員制のアプリだということ。
人からの招待がないとアプリを利用することができないといった制限があります。
中には招待権を高額で売りに出したり買い取る人もいたなんて話もありました。
内容も音声交流のSNSで有名人と話ができるなど凄い機能ですが、会員制というプレミアが無かったらここまで話題にはなっていないでしょう。
この会員だけしか入れない、紹介の無い一見さんお断りの状態は「心理的リアクタンス」を高めます。
「心理的リアクタンス」とは社会心理学者のブレームが「ダメ!」と言われたらやりたくなる心理をそう名付けました。
制限のあるものを買ったり、参加しないと特別な人として認められないという自己肯定感を守るためにも躍起になった人もいるのではないでしょうか。
行列に並ばせる
行列ができていると目が行ってしまい、並びたくなるといった経験はありませんでしょうか。
行列は人の注目を惹き、購買意欲を駆り立てます。そこにはさらに3つの心理があります。
- 心理的リアクタンス:買うまでに行列という小さな障壁が心理的リアクタンスを働かせる。
- 同調行動:みんながやってるからという同調行動の集団心理を利用する。
- 自己効力感:限定品を持っていることで自分には価値があるという自己効力や優越感を与える。
多くの店でもこの心理を逆手に取ったセールス手法として使われています。
店側はわざと行列ができるようにしたり、中にはエキストラを呼んで並ばせるといった方法も取られているところがあるようです。
ブランドを利用する
芸術的でおしゃれな人たちはいつもブランド品を身に付けています。
ブランド品と言えば高級なだけでなく素材も超一流で身に付ける者に羨望のまなざしを向けさせます。
そうです。これがブランド品の狙いです。
超一流の素材やデザインで特別感や高級感を演出しつつ、それを身に付けることができるという自分をアピールすることがブランドの価値です。
社会的な価値を高める「グローリー・バス効果(栄光浴効果)」がブランド品を身に付けることで得られます。
流行の波に乗りたい人々の心理
音楽やファッション、有名人に食べ物など多くのものに流行は存在します。
その時々の流行に乗れるかどうかは一種のステータスのように感じる人もいるでしょう。
では、どのようにして流行は生まれているのでしょうか。
ひとつはその業界が廃れないよう好みや社会的認知に合わせて作り出されています。
例えば「この商店街ではたこ焼きがブームになってるよ」と広告や口コミを出したり、名前や顔の露出や存在感を増やして人気者を演出したりと企業や売り手側の策略も存在します。
しかし、策略もありながらも実際には私たち買う側や見る側が流行を起こしています。
流行の過程は人々の関心によって5つの集団分類があります。星マークは流行を表します。
①イノベーター ★☆☆☆☆
②初期採用者 ★★★☆☆
③前期追随者 ★★★★★
④後期追随者 ★★★★★
⑤遅滞者 ★★☆☆☆
そして、人の流れの裏には集団の心理が関わっています。
一言で言うと「流行は欲の塊」です。様々な欲を要約すると2つの欲求に大別できます。
以上、このような集団心理が働き、ニュースで流れるような状況が作られます。
観ていて思うのですが、混乱に陥るのが分かっててあえてそのような状況を作り出し、ニュースで放映させるのも意図があるのではないかと考えてしまいます。
流行が過ぎて振り返ると「なんでこんなの買ったんだろう」とか「何してたんだろう」と思う事もあると思います。
それは、本当に欲しいものではなく流行と集団の心理に乗せられてしまっただけなのかもしれませんね。
参考書籍
「図解 使える心理学大全」 植木理恵著
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騒ぎを起こす群衆の心理
群衆の心理的特徴は以下の3つです。
- 同質性:似たような集団の中で一体感が増して、自己の感覚が弱まることで周囲との同調行動を起こす。
- 情緒性:興奮状態にある周りの雰囲気に流されて冷静さを失い、合理的に考えられなくなる。
- 無責任性:匿名の環境などから個人の責任を感じにくく、遠慮がなくなってしまう。
災害時には不安をあおる扇動者や不確実な流言やデマなどの嘘に十分気を付けなくてはいけません。
そして、自らもその群衆に染まりやすいことも理解しなくてはいけません。
災害や暴動時にパニックに陥ってる人を見ると、いくらメンタルが強くても自分もパニックに陥いりやすくなります。
ホラーやゾンビ映画などはその状況を良く再現しているのではないかと思います。
また、これらの心理はネットでのいじめ問題にも通じることだと思います。
意識していないところで実は身の回りではこのようなことが起こっているという事です。
以上のようにいざとなった時は、知識と必要なものを持って安全に動き回るのが大事です。
ぜひ、皆様が騒動に巻き込まれず(ゾンビに襲われても)安全に生き残れるよう祈っています。
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