「心配性な人は仕事が遅くて焦りがち、元気と自信に満ちた人の方が仕事はできるんだろうなぁ」
そんな風に思っていませんか?
実は、心配性な人は気苦労が多いかもしれませんが、大きなミスをせず、良い成果を収める可能性があります。
心配性な人は仕事がうまくいく!?
英国ゴールドスミス大学のアダム・パーキンスは「心配性ほど勝者になりやすい」という論文を発表しています。
さらに、パーキンスが行ったフィナンシャル会社での調査では、「心配性な人ほど仕事のパフォーマンスが高い」という傾向も確認されました。
一見、焦っていたり、おろおろとしている心配性な人は他人に良い印象を与えません。
しかし、その心配性かつ繊細な思考は丁寧な仕事をこなし、結果的にいい結果を上げているかもしれません。
このような特性は内向的とも共通点がありますが、近年の研究では「ビッグファイブ・テスト」という心理検査にて、内向的な人の方が作業や処理などの場面において能力が高いと言われています。
「ビッグファイブ・テスト」に関しては以下の記事をご覧ください。
成功する心配性の人がやっていること
残念ですが、心配性であればだれでも能力が高いわけではありません。
成功する心配性の人が必ずやっていることは「努力」や「準備」です。
見えない部分で結果に繋がる努力をしていたりします。
その行動によって、適度な自信と「私はできる」という自己効力感を感じられることが大事です。
例えば、ビジネスの商談に行くときに、相手の会社やお店について下調べもせずに行くのと、徹底的に調べて行くのでは、会話や理解に差が出て相手への印象に関わります。
結果、良い商談を持って帰ることができます。
試験の勉強でも同じようなことが言えます。心配だから油断せずに必死に勉強をします。
実際に、テストの点数には試験に対する自信や緊張感が関わってきます。
このような、努力をできるのが成功する心配性です。
心配は失敗も招く!?心配しすぎは逆効果
人は「失敗しないように」と願うほど、かえってミスが起こってしまう事があります
これを”皮肉効果”と呼びます
注意をされると、気を付けているのにその通りになってしまう現象です。
この現象は神経質な人ほど起こりやすくなることが言われています。
実際に以下のような研究がありました。
イギリスにあるバンガー大学のマシュー・バーロウは大学のサッカーリーグの選手67名を集めて50項目の心理テストを行い、神経質かどうかを分析しました。
そして、20回のペナルティキックを2セット行ってもらいました。
ゴールキーパーは置かずゴールには以下の3つの条件を設定しました。
・ゴール中央の幅100㎝、高さ240㎝のエリアを「ターゲット」”10点”
・ゴール右隣の幅100㎝、高さ240㎝のエリアを「皮肉のエラー」”-5点”
・ゴール左隣の幅100㎝、高さ240㎝のエリアを「エラーでない」”0点”
実際に蹴ってもらうと、神経質と判断された人ほど「皮肉のエラー」に蹴り込んでしまう確率が高くなることが分かりました。
予防・対策
この現象はメンタルを鍛えているスポーツ選手でもたまに見られます。
という事は、プレッシャーの強さなどの緊張度によって誰にでも起こりうる可能性があると言えます。
意識をすると集中力はそっちに向いてしまいミスが生じやすくなります。
さらに、緊張すると筋肉がこわばり上手く動作が出来なくなってしまいます。
これらが、よくスポーツで生じるミスの原因でしょう。
そのため、スポーツ選手はメンタルを鍛えて周りを気にしない集中力を身に付け、リラックスしてパフォーマンスが発揮できるよう練習を重ねています。
では、私たちが大事な場面でミスしないようにするにはどうしたらいいかというと、「気にしすぎないこと」です。
元も子もないですが、これが有効です。
先ほどのサッカーの例で考えましょう。
普段サッカーをしない自分がボールを蹴る立場になったとして、点数になるターゲットの範囲が決められます。
ここで生じる”意識の強さ”は”緊張の強さ”です。緊張しすぎない工夫を考えます。
- 自由な蹴り方で良い
- 3分の2もセーフゾーンがある
- 点数は何の意味もない
- 失敗しても何も変わらない
これらを考えると、蹴ることのプレッシャーも軽くなりませんか?
一流のスポーツ選手は全員がリラックスできるようにルーティンや願掛けなど「心にゆとりを持つ工夫」を持っています。
普段からルーティンをこなしていない時は意識を変えるしかありません。
しかし、時間がある場合は自信が付くまで準備や練習して、ルーティンを作り、リラックスすることが有効にもなります。
心配は一長一短ですので、心のケアを行いつつ適度に緊張感を維持することが大切です。
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