漠然とした不安が怖い…人々が不安を抱える正体は?
いま、あなたが感じている ”不安の名前” は何ですか?
私たちは漠然とした不安を抱えています。
不安がない人など、ほとんどいません。
なぜなら、「正体がわからないことに不安を感じる」からです。
誰もが、1秒先にどうなるかなんてわかりません。
そんな世界で、人は「正体が分からないもの」、「どうなるかわからないこと」に不安を感じるのです。
そう考えると、不安を 0 にすることはできないでしょう。
しかし、不安を軽減する方法ならあります。
それをこれから解説していきます。
この記事では、あなたがいま感じているその不安の正体を暴き、向き合えるような考え方をお話します。
不安と向き合う方法!名前を付けると安心する!?
「世界で最も偉大な発明をした人ってどんな人だと思います?」
あなたなら、何て答えますか?
著書「こころをつかむ超言葉術」では次のやり取りが描かれています。
「世界で最も偉大な発明をした人ってどんな人だと思います?」
うーん、
「そうだ、火だ!」
「火は人間の食べ物を大幅に増やし、文明の発達になったから!」
「それはね、ライオンという言葉を発明した人ですよ。」
1958年に「裸の王様」で芥川賞を受賞した作家、開高 健さんは偉大な発明をそのように答えたそうです。
私は、頭にハテナが浮かびました。予想外の答えでした。
しかし、少しして理解しました。
阿部 広太郎著 「コピーライターじゃなくても知っておきたい 心をつかむ超言葉術 」
強力な脚を持ち、鋭い爪を持ち、
ものすごい牙を持っている、混沌とした恐怖の塊。
速くて、痛くて、鋭い、恐ろしい混沌の塊。
ライオンじゃなかったわけです。
ところが一度これに「ライオン」という言葉を作って
当てはめてしまいますと、
ライオンはどうなるかというと、
人間の意識の中で変わってしまう。
やっぱり依然として、鋭くて、速くて
恐ろしい牙を持っているけれども、
ただの四つ足の獣に変わってしまうわけですね。
ここで克服できたわけです。
この言葉は人の心理をよく表した内容だと思います。
私はこれこそが”不安の正体”でもあると思います。
これは、「病気の診断」が持つ意味にも通じていると思います。
医者が病気は診断するということは、なにかわからない症状に対して名前を与え、処置が出来るようにするという側面があります。
得体のしれない不安に向き合う時、人はビクビクしてます。
例えるなら、真っ暗闇な知らない場所を歩くように、得体のしれない何かに見つからないようにしています。
だったら、暗闇を光で灯したり、得体のしれないものを知るということは、
不安を不安じゃなくするための有効な手段だと考えました。
それが、不安に名前を付けるという事です。
名前の付け方
不安に名前を付けることで、あなたの不安は認識できるようになり、対処できる不安に変わります。
「名前」ではなく「タイトル」でも構いません。
ここでは、より前向きな表現にするためルールを設定します。
それが次の3つです。
- 名前はわかりやすく具体的に付ける
- 自分にとってその名前はストレスが無く、前向きかどうか
- 名前を付けたら向き合ってみること
名前はわかりやすく具体的に付ける
その名前を聞いただけで、何の不安を表しているかわかると良いです。
ただ、その不安が「病名」や「リストラ」、「育児」とかそういうものであれば、無理に変えなくてもいいです。
前向きに捉えるなら、名前を変更するのもいいですが、
あくまでも、名前を付けることでカテゴリーを作り、具体的に分類することで不安を明確にするイメージで付けましょう。
自分にとってその名前はストレスが無く、前向きかどうか
名前を付けることで自分を卑下しないようにしましょう。
あくまでも、前向きに考えるための手段ですので、悲観的には考えてはいけません。
自分でレッテルを張ってしまうと、うまくいくものもダメになってしまう可能性があります。
名前を付けたら向き合ってみること
名前を付ける意味は、明確にして向き合いやすくすることです。
向き合うのは自分自身なので、名付けた後は遠目でもいいので、その不安を見てみましょう。
案外、見れるものだったり、ただの勘違いかもしれません。
辛い時にあらわれる「どうにでもなれ効果」
「努力が報われない」「裏切られた」「ミスをした」など、辛い時に「もう、どうにでもなれ」って思ったことありますか?
その出来事にはもちろん、そう思ってしまう自分にも自己嫌悪してしまい、ひどく落ち込むことがあります。
そんな時にすべてが崩れ落ちる「どうにでもなれ効果」が起こりやすくなります。
心を守るための考え方を覚えておく必要があります。
「どうにでもなれ」効果とは?
カナダのトロント大学のジャネット・ポリヴィは「どうにでもなれ効果」を明らかにしています。
厳密に決めすぎたせいで、ひとつが崩れると「もうどうにでもなれ」とすべてが崩れてしまう事があります。
これが、「どうにでもなれ効果」です。
例えば、ダイエットをしている場合でも、一切の贅沢を禁止するよりも「1週間に1回だけは好きなものを食べる。」と決める方が長続きして、結果的に成功すると考えられます。
自分のなかでの誓いやルールを決めることは意味がある事ですが、ストイックになりすぎず、許される程度を決めておくこともときには必要です。
しかし、タバコやお酒、麻薬など依存性のあるものは例外になります。
あくまでも、ストレスから自分を守るためのルールであることは覚えておいてください。
嫌な事や問題への向き合い方
嫌な出来事があると、落ち込みますよね。
特に、真面目で責任感がある人や立場にある場合は、落ち込んだ気分を引きずってしまうでしょう。
でも、たまにはミスをしたり、サボったりする自分を認めてあげないと精神的にまいってしまいます。
開き直ることは悪いことではありません。
落ち込んで罪悪感を抱えたまま問題に向き合うのではなく、むしろ、開き直った態度で問題を見つめなおすことが大切です。
ただし、開き直り方は大切です。
アメリカの社会心理学者ワイナーは「目標に対する原因帰属」というものを提唱しました。
以下は、その部分的な表です。
要因/安定性 | 安定 | 不安定 |
内的要因 | 本人の能力(良い・悪い) | 本人の努力(した・しない) |
外的要因 | 課題の難しさ(簡単・難しい) | 運(良い・悪い) |
- 成果が良かった場合は、運以外で自信や期待から意欲に繋がります。
- 成果が悪かった場合は、努力や運に帰属する(次は頑張る、運が変わる)と意欲に繋がります。
失敗した場合では、「能力や努力を原因」にするよりも、「方法を変える」ことが効果的であると言われています。
自分の能力を疑ったり、どうにもならないことに原因を求めてしまう事は、意欲を低下させて次の成功に繋がりません。
極端に言えば、失敗や嫌なことがあっても自分の事は大切にしてあげてください。
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