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知ると頭が良くなる!記憶のメカニズム


 学生は勉強がどれだけできるかで個人を評価されます。


社会に出ると仕事や生活に必要な事を覚えられるかが問われます。


記憶力はいつのときも必要とされ、学業や仕事、生活の多くにかかわる大事な脳の機能なのです。

「ここで質問ですが、昨日の夕食は何を食べたか覚えていますか?」


私たちの脳は年々衰え、記憶力が低下します。


記憶に入れようと努力しない限り、大半は忘れてしまいます。


記憶は大事な機能ですが意識しないと覚えることができません。


そんな記憶という機能を爆上げするには”私たちがどのようにして記憶しているか”を知る必要があります。


この記事を見ると、記憶力が上がり学業や社会で良い結果に繋がると思います。

目次

1.記憶のメカニズム

 私たちはどのように物事を記憶しているでしょうか。


視覚や聴覚から入った刺激(情報)は神経を伝って大脳皮質の後頭葉に伝わり、大脳辺縁系にある海馬へ運ばれ、記憶されます。

脳へ情報が送られた後、情報の記憶は以下の3ステップで行っています。

覚えたものは ①記銘 ②保持 ③想起 という順番を経ています。

想起とは思い出して表出することなんですが、見聞きした事の全てを思い出すことは出来ません。

なぜなら、短期記憶か長期記憶のどちらかになるかを脳が取捨選択をしているからです。

アトキンソンとシフリンという人物は「多重貯蔵モデル」を考案しました。

それは、感覚記憶、短期記憶、長期記憶という3つの貯蔵庫で構成される記憶のメカニズムのこと。

さらに、繰り返し反復して覚えるリハーサルなどで刷り込まれたものだけが長期記憶に移行します。

2.記憶できる数は決まっている

 先に述べたメカニズムを使えばすべてを記憶できるわけではありません。


感覚記憶から移行した短期記憶には覚えられる数が限られています。


バッデリーは仕事をする記憶として短期記憶に視覚と聴覚情報の保持機能を持つ「ワーキングメモリ」があると命名しました。

それが以下の3つです。

  1. 視覚的イメージを貯蔵
  2. 視覚的イメージを操作する視空間的記銘メモ
  3. 音声を繰り返し再生できる音韻ループ


そして、ひとが一度に覚えておける限界の数が「マジカルナンバー7+2」です。

この数字はチャンクの数を示し、単に5~9個だったら覚えられるというわけではありません。


チャンクというのは情報のまとまりのことを言います。

例えば、以下の図のような覚え方です。


11個の画像も3つのカテゴリにまとめると覚えやすいのではないでしょうか。


このまとまりがチャンクです。

また、長期記憶にも以下のような分類があります。

なかでも、エピソード記憶は時間と場所が記憶と結びついているので、出来事の内容よりも時間と場所から考えた方が思い出しやすいと言われています。

意味記憶はプライミング効果と言い、「赤い」=「リンゴ」=「果物」というように関連した物が思い出しやすいと言われています。

そのため、時間や場所と関連させたり、始めに図式などで大枠を理解しておくと記憶力も上がり、思い出しやすくなるでしょう。

3.記憶力を高める学習法

 どのように情報が脳へ送られるかを「1.記憶のメカニズム」で解説しました。


しかし、喜怒哀楽などの感情や本能に関わる情報は違う経路で送られることがわかっています。


その刺激(情報)は大脳辺縁系の視床下部にて認知され、大脳皮質を経由することなく直接海馬へ到達します。

このように到達した情報は強い記憶として残るとされています。


ということは、感動を伴った記憶法で記憶力が上がるのではないでしょうか。

例えば、分からなかった問題が分かった時や好きな人に教えてもらった時などは感動を得そうです。


極度に集中を失わない程度で勉強にも感動を与えましょう。

また、先ほどの項では記憶のメカニズムとしてアトキンソンとシフリンの「多重貯蔵モデル」を解説しましたが、実はこのメカニズムには根拠と分類が曖昧だと批判がありました。


そして、クレイクとロックハートは下図の「処理水準モデル」を提唱しました。

3つの処理層があり、処理水準が深くなるほど記憶に定着しやすくなるとされています。

そのため、記憶したいことには形だけでは無く、声に出したり意味を考えながら記憶すると定着率が上がります。

4.一夜づけ記憶法の効果

 誰もが一夜づけでテストに臨んだ経験があるのではないでしょうか。

だいたいは寝落ちして朝を迎えることにはなるんですが…。


そんな一夜づけ記憶法は効果があるのでしょうか?


ジェンキンスとダレンバックによる実験では睡眠をとったグループより起きていたグループの方が点数が悪かったという結果が得られています。

一夜寝ない脳はアルコールでほろ酔いと同じ状態であると言われており、新しい記憶が入らず想起するのも困難であることが想像できます。


忘れてしまう原因などにはいろいろな説があるのですが、分かりやすいもので答えると「エビングハウスの忘却曲線」というものがあります。
以下の図です。

20分後には42%忘れる
1時間後には56%忘れる
9時間後には64%忘れる
1日後には67%忘れる
2日後には72%忘れる
6日後には75%忘れる
31日後には79%忘れる

引用:https://ryugaku-kuchikomi.com/blog/ebbinghaus-the-forgetting-curve/

このように、勉強して1時間以上経ってしまうと半分以上が忘れてしまうそうです。

なので、徹夜して臨んでもテスト開始した時にはほとんど覚えておらず、さらに寝不足で記憶力の低下や思い出しに困難が生じます。


もちろん、上図で例えると復習することで乱高下しながら右肩上がりで数値の線は上昇していくので、一夜づけはやめて時間をかけて勉強するのが王道でしょう。


さらに、勉強効率を高めるには、朝起きてすぐの勉強と夜寝る前のタイミングで勉強すると良いです。

朝起きてすぐは頭のなかが1日を通して一番クリアになっているため、集中力が維持しやすいです。

また、睡眠学習なんて言葉を聞いたことがあると思います。効果はさておき、記憶の定着には睡眠が欠かせません。


実際にリヨン大学のステファニー・マッツァの実験では語学の習得に睡眠を挟んだグループとそうでないグループに分けると、「再学習にかかる時間は短く、記憶の保持は長くなる」という結果が見られました。


このように、朝と夜に勉強をするサイクルを毎日コツコツ繰り返すことで目標日に力を発揮できるのだと思います。


以上のことがためになれば幸いです。
挑戦する方を応援しています。

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この記事を書いた人

心理師ブロガー┃公認心理師,健康管理士,介護福祉士
有益な心理学を発信、心と生活の豊かさを応援
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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 公認心理士を受験します。記憶に関する受験対策としては100%に近い内容で感謝します。

    • こんちゃんさん、コメントありがとうございます。
      忙しい日々かとは思いますが、応援しています!

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