「都会の人は冷たい・恐い」なんて言われたりします。
その言葉は都会の人の人情味を指しているわけですが、本当に皆が他の府県に比べ冷たくて恐い性格をしているのでしょうか?
まず、結論を言うと決してそんなことはありません。
田舎も都会も冷たい人は冷たいですし、怖い人は怖いです。
実はその背景には心理的作用が働いています。
都会の人間は冷たいんだろうとか、私は冷たい人間じゃないと思う人はぜひ、本記事を見て下さい。
他所から見た都会の人の特徴
都会の人たちはどのように思われているのでしょうか?以下は独自調査の結果です。
- 近所や人づきあいが少なく、交流を嫌う。
- 計画的で結果を求めてせっかちな。
- 行列によく並んでいる。
- 歩くスピードが謎に速い。
- いつもイライラしている。
- 見た目や周りの評価を気にしている。
冷たいと思う一部の方に都会の人はこんな様に思われているそうです。
都会の人は冷たいのか
冒頭でも述べましたが決してそんなことはありません。
しかし、都会の情報量や活動量は人の数や設備からして総体的に多いです。
それをテレビなどのメディアを通して発信しているので印象が偏っていまいます。
ただ、その都会の傾向から都会の人々に心理的作用が生まれており、それが冷たいと言われる行動を助長しているものになります。
その心理的作用は以下のものがあります。
(1)過剰負荷環境
アメリカの心理学者スタンレー・ミルグラムが提唱したもので、物や人、情報が過剰にあふれる状況下では必要な物事だけに関心をむけて、他を無視する特徴があるとしました。
その特徴には次の4つがあります。
- 短時間処理:短時間で最小限の情報だけを伝えて、人との交流を避ける
- 情報の排除:不必要な情報は無視して自分の都合よいものに関心を向ける。
- 責任回避:自分と関係ないとこで問題が起きても、他人任せで自発的に動かない。
- 他者の利用:他人との干渉を避け、連絡を積極的にとろうとしない。
<カクテルパーティー効果>
似たもので心理学者のコリン・チェリーが提唱した、無意識に自分の関心のある音声情報を選択して聞きとる傾向のことを言います。
(2)傍観者効果
キティ・ジェノバーズ事件をきっかけに心理学者のラタネとダーリーが検証したものがあります。
キティ・ジェノバーズ事件とはニューヨークで起きた女性の殺人事件です。
この事件には殺されるまでに30分以上の時間と目撃者が38人いたのに通報と救助をした人が0人であったという事件です。
背景心理には「誰かがやってくれるだろう」という責任の分散が起こり、実際の行動を起こさなかったと言われています。
忙しさや傍観者の人数が多いことから都会でも程度が違えど、このようなことが常々起こっています。
例えば、迷子や道端で座り込んだ人を助けたり、倒れた自転車を直してあげたりせずに通り過ぎる人が多いのです。
(3)儀礼的無関心
カナダの社会学者のゴフマンが名付けた概念で、都会の人に多いことから市民的無関心とも訳されています。
これは他人との干渉を避けるために、あえて儀礼的で無関心を装うというものです。
身近な例で例えると、挨拶や会話が礼儀正しい、居合わせた際にジロジロと視線を合わせないなども言えるでしょう。
儀礼的無関心は過度な干渉はせず、逆に無視しすぎないといった中間的な位置にあります。
しかし、それによって空間を乱さないために、精神面や公共性が保たれている側面もあります。
おわりに
都会の人の性格が冷たいわけではなく、環境的に複雑な心理的作用などが働いてもたらされていることがわかりました。
性格などその人を決めつけてしまうと本当の側面が見えにくくなってしまうものです。
なので、関わるときはその人がどうなのかというのを大事に見てあげるといいでしょう。
コメント