備える心理学 誰もが経験する死を受け止める

心理記事
乙姫の花笠さん

こんにちは。介護健康心理カウンセラーの西本です。
今回は死の受容についてお話します。
繊細な話になります。心が許す限りでご覧ください。

 人は必ず死を迎えます。生物である限りそれは避けることができません。
医療が発展しても現代では不老不死の技術を享受することは出来ないでしょう。

残酷なことに死は突然訪れます。それも生きていくうえで避けることは困難です。
自らが注意を払っても他者からの危険は止めることができないからです。

死に年功序列もありません。人生半ばで現れることもあります。
子どもや愛する家族、大切な人が居ても容赦なく降りかかります。

私が今回この記事を通してお伝えしたいのは「後悔の少ない死を迎える」ことです。
これからのヒントになればと思います。

「後悔の少ない死を迎える」

 「今日が人生最後の日だと思って生きなさい。」と、義務教育で耳にした道徳的な言葉。
これは多くの人にとってうなずける言葉だと思います。
現代では死にまつわる言葉の数多くが人々に感銘を与えてきました。

ですが、私たちは普段あまり死を意識していません。
それは心を平穏に生きる上で必要なことだとも思います。

『「今日が人生最後の日なら、今日することは自分がしたい事だろうか?」答えがノーであれば何かを変える必要がある』
この言葉はスティーブ・ジョブズが33年間、毎朝鏡を見て問いかけていた言われています。

いつか訪れる死は悪いものではありません。
”生の有限さ”を大切に考えることが人生をいい方向へ向かう上で必要です。

しかし、ロンドン大学の実験では死を意識させた質問の後の行動を比較すると「野菜を食べたり運動するなど健康を意識した者」と「ジャンクフードやタバコやへの欲求が増えた者」に反応が分かれたそうです。

これは、その人の死の捉え方によるものです。
どうせ死ぬんだからと考えた人は直近の欲求に素直になっただけの結果だと言えます。

では、あなたはこの質問に対しどちらの行動を起こしますか?

心理学の「脅威管理理論」では人は無意識に死を恐れて安心できる行動をとっていると言います。
この結果はどちらが正しいというわけでもなく、あなたが不安を解消する場合、どちらを選択するかです。

この記事を書くにあたりスティーブ・ジョブズについて調べていたらとても心に刺さるものを見つけました。


その他にも、死に関する話題として注目を浴びた言葉がありましたね。

「死ぬ瞬間の5つの後悔(ブロニー・ウェア 著)」という書籍で紹介されている実際の経験を通じた内容です。

末期患者と接する中で、「人生で一番後悔していることはなにか?」と聞いたときのものです。
それは以下の5つです。

  1. 自分に正直な人生を生きればよかった
  2. 働きすぎなければよかった
  3. 自分の気持ちを正直に伝えればよかった
  4. 友人と連絡を取り続ければよかった
  5. もっと自分を幸せにしてあげればよかった

この言葉を見るたびに、「自分はこのような人生を歩めているだろうか」と考えてしまいます。
ただ、私の場合は今すぐに実感が湧かないので、答えは後になってわかるものなんだと思います。
だからこそ、意識して生きる必要があるんですね。

これらを見て、死ぬときの5つの後悔に「お金」が入っていない事は驚きでもあります。

セコム株式会社は2020年6月に20代~60代以上の500名を対象にした調査では「健康」と「お金」に対する不安が全年齢層で最も高い事が分かりました。

また、PRESIDENT(2020.9月号)では、40~60代の生活満足度を調べる回答で「健康」と「お金」に対する不安があると答えています。

さらには、死を考えると消費行動が減りお金が溜まるなんて話もあります。
お金と生命の関係性はとても深いものがあります。

ただ、お金の不安や後悔は死ぬまでにはあるけど死ぬときには無いんですね。
先ほどのスティーブ・ジョブスの名言でもこのようなものがありました

(一部抜粋)
私が持っていける物は、愛情にあふれた思い出だけだ。
これこそが本当の豊かさであり、あなたとずっと
一緒にいてくれるもの、あなたに力をあたえてくれるもの
あなたの道を照らしてくれるものだ。

@Temitajpより

私は介護士として働く中で、私が出勤すると人が亡くなるという偶然が重なる時期があり、今までに何十人の方の看取りを経験していきました。

実際、亡くなる数分前に「ありがとう」と言われたことはずっと心に残っています。
その時を思い返すと物質的な裕福よりは精神的な裕福の方が大事なんだなーと感じます。

それがどんな状況になってもそう言えるかは分かりません。
しかし、人が死ぬときは人との精神的結びつきを感じていたいんだと思います。

akanekさん

生きて行くうえで他人の死を経験することもあると思います。
親や子、配偶者の死は『ホームズとレイのストレス度表(社会的再適応評価尺度=S.R.R.S.)』というライフイベントにおけるストレスを表した尺度でもトップに挙げられています。

もしもそれが訪れた時、心の準備ができていないと立ち直れないほど大きな衝撃を受けます。
いくら準備をしても苦しいものは苦しいです。

人の死の受容には5段階のプロセスがあるとされています。
スイスの精神科医であるエリザベス・キューブラー・ロスが提唱したものです。

①否認

衝撃を受け、ショックを受け止められない。

②怒り

徐々に自覚するが受け止めきれず、怒りやうらみ、八つ当たりを起こす。

③取引

現状と引き換えにあらゆる手段を講じる。

④抑うつ

効果が表れず、どうしようもないやり場にうつ状態になる。

⑤受容

感情を受け止め、終焉を見つめることができる。


この理論のきっかけは、アメリカの終末期の現状を扱う状況を目にしたことに驚愕したこととされています。
個人差があり、必ずしもこのプロセスを通らないこともありますが、知っているとためになるかもしれません。

ロスは自分一人の努力だけでなく、周囲の協力が必要不可欠としています。
この調査の過程で自分の周りを野心的に支配した人は受容が困難で、仕事や子育てに満足に成し遂げた人は穏やかに死を受け入れたといいます。

たまに家族もおらず「死は孤独」というのも聞きます。
屁理屈みたいな返答をすると、孤独はありえません。

休日に家でこもっているときに感じる孤独のように、感覚に無くても人は存在しています。
老後に介護が必要になり、福祉施設に入所したりすると孤独のリスクは嫌でも減ります。

akanekさん

結局は人生の最期に、今までの出来事を統合した時、少ない後悔で生きれるよう行動することが必要です。

個人的にはどんな行動しても死ぬときは後悔がありそうです。
それよりも、達成感が勝るような生き方を心がけることが大事なのでしょうか。

死の話はタブーとする場合もありますが、後悔したくないなら死の恐怖に支配されない程度に考えておくことは必要なんだと思います。

さいごに、私が体験した人生で一番の笑顔を見せた人の実話を書いた記事も貼っておきます。

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