「私なんて居ない方がいい」高齢者のネガティブ発言を知る

介護記事
himawariinさん

こんにちは!介護健康心理カウンセラーの西本です。
今回は高齢者のネガティブ発言について深掘りしていきます。

 「私なんて居ない方がいい」「邪魔なんでしょ?」「もう死にたい」などご高齢の方が言っているのを耳にしたことはありませんか?

そんな時とことん話を聞くというのは実は間違っています。

このような高齢者のネガティブ発言は医療福祉の現場では日常です。

それゆえにその発言に「またか」と慣れてしまうこともあります。

分かっていても態度が雑になってしまうこともあるでしょう。

話を傾聴するという事がネガティブ感情を増幅させて、聞いている方のストレスが溜まるという悪循環に陥っているのかもしれません。

発言の背景を理解すると、ご高齢の方のネガティブ発言が減って聞いている方のストレスも軽くなるかもしれません。

話をとことん聞く「傾聴」の落とし穴

 人の悩みがあるときは聞く側は話すのをグッと我慢してとことん傾聴します。

話し上手は聞き上手といったように聞く姿勢というのは対人援助職、カウンセラーの基本姿勢でもあります。

しかし、場合によっては話を聞くということが逆に悪化させることもあります。

高齢者の場合では認知症や老年期うつの割合は非常に高く、ライフイベントや病気、障がいなどがネガティブな状態にかかわっており複雑な場合が多いです。

うつや認知症などでも傾聴は有効な手法として当たり前のように行われています。
精神に不調をきたしている場合は適切な服薬治療も必要にはなります。

それを踏まえたうえで、なぜ場合によって傾聴は間違いなのかというと、ネガティブ発言の背景は年齢を重ねてできないことが増え、自己肯定感が揺らいでいるからです。

今までの仕事や家庭での責任が大きかった人ほど受け入れるのが困難です。

傾聴して一所懸命に話を聞いても「やっぱりそうなんだ。」とか「何も言ってくれないのね。」なんて思われてしまいます。

今の自分を受け入れるためには話を傾聴して本人が心の中を整理できる状態を作ってあげることは大事です。ただ、出来ない自分を受け入れるだけではネガティブになる一方です。

ネガティブな発言をしないようにと言ってしまうのも逆効果になります。
ダメだと言われたら考えてしまうように、不満を増幅させてしまいます。

いくつになっても出来る幸せ

 高齢者のネガティブ発言は年齢等による自信喪失で自己効力感が低下することが原因でした

高齢になると動くのも怖いので安全第一で静かに過ごしてもらいたいと思ってしまいます。
しかし、それも自信喪失に拍車をかけます。さらには刺激も無くなり認知症の原因にもなります。

ではどうすればいいのでしょうか。

そんな時は簡単にやれる役割や習慣を持ってもらうことがとても有効でしょう。

役割を持つと「人の役に立っている」という気持ちになり、習慣をこなせたら「続けて出来ている」と自己効力感を高めてくれます。

簡単にやれることとは、例えば軽い家事や他者の世話、庭仕事など、習慣には決まった時間に読書や運動などです。
これを決めるにはその人の趣味や仕事などを参考に一緒に決めてみるのもいいでしょう。

このような小さなタスクを課して乗り越えることで自己効力感を高めるというのは、赤ちゃんや子ども、ビジネスパーソン、高齢者などすべての世代に共通して適応できるものになります。

ただ、下がり調子や上がり調子では必要なかかわり方にも違いがあるので難しいところです。

その中には心の不調が大きくかかわってきます。回復過程によって介入も変わります。
厚生労働省の資料によると老年期うつでは以下のような対応が求められます。

① 心配しすぎない
うつの人を前にすると、気を使いすぎてかえって言動がぎこちなくなることがある。腫れ
物に触るような態度を取らないで、今までどおり自然に接するように伝える。
② 励まさない
ご家族はつい心配のあまり、本人を励ましてしまいがち。そのように励ましたくなるご
家族の気持ちに共感しながら、しかし本人のペースを大切にしながら話をするように勧める。
③ 原因を追求しすぎない(悪者探しをしない)
つらいことが続くと、本人はもちろんご家族もその原因を探しがちになる。それが問題解
決につながればよいが、往々にして悪者探しになってしまう。「私の性格が悪いんだ」「親
の育て方が悪かったんだ」と、誰か悪者を見つけて責めるようになる。こうなるとますます
つらくなり、人間関係や家族関係がギクシャクして協力して問題を解決していくことが難し
くなる。うつなどの精神医学的障害は原因がないことも、わからないこともあるので、あま
り原因について考え込みすぎないようにすることが大切。
④ 重大な決定は先延ばしにする
本人も、ときによってはご家族も、あせりすぎてつい仕事をやめることを考えたり離婚を考えたりすることがある。しかし、落ち込んでいるときにはどうしてもマイナス思考が強く
なっているので客観的な判断ができない。そのため、重要な決定は症状がよくなるまで先延
ばしにするように本人に話してもらう。
⑤ ゆっくり休ませる
疲れているときにはゆっくり休むことも大切。まず、心身ともに休んでリフレッシュするよ
うに本人に話してもらう。本人の話をゆっくり聞いて、家族が手伝ってあげられることは手
伝い、できるだけ本人を心身ともに休ませるようにしてもらう。
⑥ 薬をうまく利用する
うつの治療には休養と周囲の人の温かい理解に加えて、薬による治療が役に立つ。薬として
は抗うつ薬が用いられるが、周囲の人はその重要性を理解し、本人が医師の指示を守って薬
を服用し続けられるようサポートするように話す。
⑦ 時には距離をおいて見守る
本人はうつの病状のために度重なる甘えや攻撃がでるときがある。そのような時には距離
をおいて本人を見守る環境を作るように勧める。

https://www.mhlw.go.jp/topics/2009/05/dl/tp0501-siryou8-1.pdf

これらのように、多くの人が健康で楽しい老後を過ごすには状態の見極めと適切な関わり方が大事なのを知っておきましょう。

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